ファンシーダイヤモンドとは
ダイヤモンドには様々な色(色相)のバリエーションが存在します。代表的なものとしては、カラーレス(無色透明)、ホワイト、ブルー、レッド、グリーン、オレンジ、ピンク、ブラウンなどが挙げられ、これらの色を複数組み合わせた幅広い彩度(色相の鮮やかさ)と明度(黒-白までの色相のスケール)の色合いを生じます。
ファンシーカラーダイヤモンドのカッティング
一般的にダイヤモンドは無色のものが最も高く評価されます。その視覚的な美しさは、高いブリリアンス(明るさ)と、ピュアホワイトの色、クラシカルなパターンのファセット(研磨面)上に生じる光の反射、そしてダイヤモンド内部での光の分散によって生じる虹色の重なりなどによって生み出されています。一般的なラウンドブリリアントカットは、無色のダイヤモンドの美しさを引き出す古典的なスタイルの一例です。
カラーダイヤモンドの場合、その色をより強調するカット、通常より多くのファセットを有するカットが選ばれます。ファセットは何度も光を反射することで、より多くの光をダイヤモンド内に留め、その結果、ダイヤモンドの本来の色をより濃く見せることができます。このような効果は角を切り落としたような形状(クッション、マーキーズ、ペアー、ドロップシェイプなど)のカットで最も強調されます。
ファンシーカラーダイヤモンドのグレーディング
ダイヤモンドのカラーグレーディングは3種類の光学的指標を考慮した上で最終的に判断されます:1) 色相(ピンク、ブルー、グリーンなど)、2) 彩度(弱い-強い)、3) 明度(明るい-暗い)。
これらの指標を複合的に判断し、純色(例:ファンシーピンク)か混色(例:ブラウン味を帯びたピンク、オレンジピンク、グレーピンク)か決定されます。
更に複雑なことには、光の反射パターンによってダイヤモンド中の特定の場所の見かけ上の彩度が変化することがあり、このためカラーグレーディングはそう単純ではありません。
透明なダイヤモンドの場合、常にパビリオン面(裏側)から見て評価されるのに対し、カラーダイヤモンドの場合は、テーブル面(表側)から見てグレーディングされます。つまりカラーダイヤモンドは上から見た時の色で評価されます。
またカラーレスダイヤモンドの色は光の内部反射が最も少ない部分でグレーディングされるのに対し、カラーダイヤモンドは最も彩度の高い部分の色でグレーディングされます。従って、経験を積んだ宝石鑑定士はカラーダイヤモンドを様々な異なる方向に傾けてその色と彩度を評価します。
カラーレスダイヤモンドのカラーグレーディングとは異なり、カラーダイヤモンドのグレードを定義する世界基準のマスターダイヤモンドは現在存在しません。スイス宝石学研究所・SSEFでは、カラーダイヤモンドはファンシーカラー・マスターダイヤモンドシリーズを内部基準として参照し、次のようなカラーグレーディングを行っています。
ピンク系列カラーダイヤモンドの例(色が濃くなる順に):
• ピンク(フェイント)
• ピンク(ベリーライト)
• ピンク(ライト)
• ピンク(ファンシーライト)
• ピンク(ファンシー)
• ピンク(ファンシーインテンス)
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